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HAKUTO 月面探査レースリタイア!レース終了決定


月探査は、1959年9月14日に、ソ連の無人探査機ルナ2号が月面に衝突したことに始まり、次に、アメリカが無人探査機を月面に軟着陸させ、2番目の月面到着国となりました。

そのアメリカは、1969年7月20日、アポロ11号のニール・アームストロングとエドウィン・オルドリンにより、人類初の月面歩行を成功させています。

その後、日本、インドと、月面到着国が続きましたが、大きな話題になることもなく時間は過ぎました。

そして、2007年9月、グーグルのスポンサーにより、民間企業による月面探査レース『Google Lunar X Prize』が開催され、再び、月探査が注目されたのです。

以前からニュースで報道されていたため、知っている人もそれなりにいましたが、2018年1月2日放送のTBS系列『クレイジージャーニー』で、日本から唯一参加したHOKUTO(ハクト)が特集されたため、大きく注目されることに。

しかし、放送から僅か8日後の2018年1月10日、HAKUTOが、レース期限の2018年3月末までに探査車の打ち上げが困難になったことを発表しました。

HAKUTOによる事実上の月面探査レースリタイア宣言です。

月面探査レース『Google Lunar X Prize』のミッションや目的

月面探査レースは、当初33チームが参加を表明し、5チームまで絞り込まれました。

その中の1チームが、日本から唯一参加しているHAKUTO(ハクト)です。

参加チームは、次のミッションを遂行しなければなりません。

『Google Lunar X Prize』のミッション

  • 月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること
  • 着陸地点から500メートル以上移動すること
  • 高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること

『Google Lunar X Prize』の賞金
ミッションを一番早く達成したチームに2000万ドル、2位のチームに500万ドル。中間賞あり。

月面探査レースを主催するグーグルの目的は、『低コストでの宇宙ビジネス開発』と『月資源の開発』です。

HAKUTOがリタイア寸前になった経緯

HAKUTOの代表・袴田武史さんは、子供の頃にスターウォーズを観て宇宙に興味を持ち、24歳で単身渡米して、ジョージア工科大大学院で航空宇宙工学修士号を取得しました。

その後、経営コンサルティング会社を経て、宇宙関連事業を行う『ispace』を起業します。

そして、月面探査レース『Google Lunar X Prize』の参加のために「白い兎」を意味する『HAKUTO』を設立したのです。

HAKUTOは、クラウドファンディングやスポンサー企業などから資金調達し、約10億円をこのプロジェクトに費やしました。

その半分以上を占めるのが打ち上げ費用であり、HAKUTOは、インドのTeamIndusと共同でお金を出し合い、インド宇宙研究機関(ISRO)のロケットで、月面探査車(ローバー)『SORATO』を月まで運んでもらうつもりでいましたが、TeamIndusはロケット打ち上げに要する費用7000万ドルの内、3500万ドルしか用意できず、キャンセルされてしまったのです。

『クレイジージャーニー』では、HAKUTOのエンジニアが苦労しながらも月面探査車を完成させ、古友大輔さんのパスポート忘れも母親に届けてもらって何とかなり、インドに向かうところで放送終了となりましたが、インドではさらに凄い運命が待っていました。

TeamIndusのリタイアの煽りを受け、HAKUTOもリタイア寸前です。

しかし、HAKUTOは継続を表明しており、主催者側に期限延長も求めています。

HAKUTOの月面探査車『SORATO』が、月面を走る姿を見られるかどうか、今後も見逃せません。

月面探査レース終了

2018年1月23日、月面探査レースを主催するアメリカの『Xプライズ財団』が、レース期限の2018年3月末までに探査機を月に到着させられるチームがないことを理由に、当レースの終了を発表しました。

インドチームは資金難、HAKUTOはそのインドチームに巻き込まれてロケットが用意できず、他のチームも資金難で、結局、戦わずして終了です。

個人的に、楽しみにしていたので残念ですが、またいつか開催されることを期待しています。


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