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遺族補償年金前払一時金・若年支給停止でも受給可能


遺族

労災保険の『遺族補償年金前払一時金』とは、『遺族補償年金』の受給権者が、給付基礎日額の1,000日分を限度に前払いを受けられる制度です。

条件を満たせば、若年支給停止の方でも請求できます。

労災保険・遺族補償年金前払一時金とは?

仕事中・通勤中のケガや病気が原因で被災労働者が亡くなった場合は、『遺族補償年金』の支給を受けられます。

この年金は年6回に分けて支給されるのですが、中には、亡くなった人の身辺整理などで、まとまったお金が必要な人もいるでしょう。

そこで、労災保険では、『遺族補償年金』の受給権者に対し、本来は年金である保険給付をまとまった一時金として受給できるようにしています。

業務災害が『遺族補償年金前払一時金』で、通勤災害が『遺族年金前払一時金』です。

遺族補償年金が若年支給停止されている者でも請求できる

遺族補償年金の受給資格と転給」を見ていただければ分かりますが、55歳以上60歳未満の夫、父母、祖父母、兄弟姉妹は、60歳に達するまで『遺族補償年金』が支給されません。

これに該当する人を「若年停止対象者」と言います。

55歳以上60歳未満にもかかわらず、「若年」の文字が使われていることに疑問を感じるかもしれませんが、国が定めた年齢に達していないという意味で使われているだけなので、あまり気にしないでください。

このように定められているため、若年支給停止されたら60歳になるまでお手上げなのですが、何故か、条件を満たせば『遺族補償年金前払一時金』を請求できます。

したがって、若年支給停止されている人は、『遺族補償年金前払一時金』の手続きをしましょう。

遺族補償年金前払一時金の支給額

『遺族補償年金前払一時金』の支給額は、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1000日分のうち、受給権者が希望する額です。

給付基礎日額の計算方法
怪我をし、病気に罹ったことが確定した日以前3ヶ月間の
賃金の総額 / 総日数 = 給付基礎日額

ただし、賃金総額と総日数から控除する賃金・期間があります。

遺族補償年金前払一時金の時効と手続き・請求期限

『遺族補償年金前払一時金』の時効は、被災労働者が亡くなった日の翌日から2年です。

請求は1回のみで、『遺族補償年金』の請求と同時に行わなければなりません。

ただし、『遺族補償年金』の支給決定の通知があった日の翌日から起算して1年を経過する日までの間は、『遺族補償年金』の請求の後でも『遺族補償年金前払一時金』の請求をすることが可能です。

遺族補償年金前払一時金の支給停止

『遺族補償年金前払一時金』は、『遺族補償年金』の前払いを受ける制度なので、本来受けるべき年金額が実際に支給された一時金の額に達するまで支給停止となります。

さらに、1年経過後からは年5分の単利で割り引いた額が利子として必要です。

この支給停止は、転給によって受給権者が変わった場合にも引き継がれるため、例えば、1000日分の『遺族補償年金前払一時金』の支給を受けた受給権者が亡くなった場合において、700日分しか埋められていないのであれば、転給によって新たに受給権者となった者は、残りの300日分を埋めるまで支給されません。

さらに、『遺族補償年金前払一時金』による支給停止期間中は、次の給付を受けられないデメリットもあります。

  • 20歳前の傷病による障害基礎年金
  • 旧国民年金法の規定による老齢福祉年金等
  • 児童扶養手当等

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