健康診断の費用を無料・安くする方法!会社員と自営業の違い
「自分の体調は、自分が一番分かっている」とよく言いますが、確かに、頭痛や発熱、吐き気などの症状があれば、「風邪やインフルエンザに罹ったのかなぁ?」と自分で判断できます。
しかし、癌などの命に関わる病気の場合、症状が出ない初期の段階で発見できていたら助かったのに、症状が出た段階では遅かったということもあるのです。
もし、定期健康診断を受けていたら、重い病気でも完治が望める初期の段階で見つけることができる可能性があります。
それだけに、健康診断は重要なのです。
健康診断の費用は高いですが、場合によっては、無料や安い費用で受けることができるので、積極的に受診しましょう。
会社員の健康診断は義務!費用は会社負担
会社員は、労働安全衛生法により、「雇入時の健康診断」や「定期健康診断」などが義務付けられています。
労働者の健康を考慮して、法律で強制されているので、会社は労働者に健康診断を受けさせなければならず、労働者は健康診断を受けなければなりません。
健康診断の費用は、全額、会社負担です。
会社が労働者に健康診断を受診させなかった場合は、50万円以下の罰金が科せられます。
中には、「めんどくさい」「健康診断を受けると余計に病気になる」と考え、健康診断を拒否する労働者もいるでしょうが、その場合は、懲戒処分を行うことが認められているので、労働者は必ず健康診断を受けてください。
ちなみに、派遣労働者の場合、派遣元である派遣会社がその義務を負い、健康診断の費用を負担することになります。
詳しい条件は派遣会社に聞くと良いでしょう。
そして、公務員も健康診断を受けなければなりません。
アルバイト・パートタイマーの健康診断
正社員は、健康診断が義務付けられていますが、アルバイトやパートタイマーはどうなのでしょうか?
アルバイトやパートタイマーなどでも、次の2つの条件どちらも満たすと、事業主は短時間労働者に健康診断を受診させなければならない、と定められています。
- 期間を定めない雇用、または、1年以上雇用されることが明らかな者、1年以上雇用されている者
- 正社員の週所定労働時間の3/4以上働く短時間労働者
現在は、非正規雇用が増え、フリーターも多くいますが、上記条件に該当すれば、会社負担で健康診断を受診することになるのです。
ただ、実際は、正社員と変わらない労働時間のフリーターにもかかわらず、健康診断を受けていないという人は多くいるでしょう。
当然、違法です。
一般健康診断の内容
会社員や、条件に該当するアルバイト・パートタイマーなどが受診しなければならない一般健康診断の内容は、次のとおりです。
- 雇入時の健康診断(雇った最初に1回)
- 定期健康診断(1年以内ごとに1回)
- 特定業務従事者の健康診断(危険有害業務や深夜業などの従事者に対し、6ヶ月以内ごとに1回)
- 海外派遣労働者の健康診断(海外に6ヶ月以上派遣する労働者に対し、派遣の際と帰国後の就業の際)
- 給食従業員の検便(雇入れの際、配置替えの際)
さらに危険有害業務の場合は、その業務内容により、「特殊健康診断」や「じん肺検診」「歯科医師による検診」が必要となります。
一般健康診断の項目
一般健康診断で検査される項目は、次のとおりです。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
「雇入時の健康診断」は全項目必須ですが、「定期健康診断」については、医師が必要でないと認める項目を省略することができます。
自営業者やフリーランス、無職者、会社員の家族などが安い費用で受けられる健康診断
高齢化により、医療費が増大しており、社会問題になっています。
多くの人が病気になって医療費が増えると、その分を保険料を上げなければならず、各家庭の経済的負担となってしまうのです。
そこで、平成20年度から、国民健康保険や健康保険で、40歳以上75歳未満の人を対象に、安い費用で健康診断を受けられるようになりました。
健康診断を受けることで、健康を意識した生活を心掛けさせると共に、病気を早期発見して、医療費が増大するのを防ぐことにつながるのです。
国民健康保険では、自営業者・フリーランス・無職者などがその対象となり、健康保険では、会社員やその家族が対象となります。
この健康診断は、「特定健康診査」と「人間ドック」があり、国保であれば、通常約1万円かかる健診が1000円前後、通常約数万円かかる人間ドックが1万円以内で受診可能です。
ただし、自己負担額は、自治体や健康保険組合により、かなり差があるため、各自でご確認ください。
このように、自営業者等には助かる特定健康診査ですが、平成27年度の実施率でやっと50パーセントを超えたところです。
毎年、封筒に入って送られてきているはずなので、健康診断をずっと受けていない人は、一度、受けてみると良いでしょう。
なお、75歳以上の人に対しては、無料で「後期高齢者医療健康診査」が行われます。
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