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失業保険の延長の種類(地域・広域・全国・訓練)


通帳

失業保険(基本手当)は、原則として、離職日の翌日から起算して1年以内の受給期間に、被保険者であった期間の長さや年齢、就職困難であるか否かなどの条件によって定められた所定給付日数分の支給を受ける権利が与えられます。

実際には、受給期間内にある4週間に1回の「失業の認定日」に、最高で28日分支給され、所定給付日数に達するまで続きます。

したがって、所定給付日数が残っていても受給期間の1年が経過したり、受給期間内でも所定給付日数分に達した時は、失業保険の支給が終わるのが常識です。

しかし、所定給付日数を超えて保護する必要があると認められる場合には、失業保険が延長されます。

これを延長給付と言い、『地域延長給付』『広域延長給付』『全国延長給付』『訓練延長給付』の4種類がありますが、同時に複数の延長給付の条件を満たした時の支給順序は、「地域、広域、全国、訓練」の順です。

もし、途中で優先度の高い延長給付に該当した時は、今現在行われている延長給付を一時的に延期して、優先度の高い延長給付をまず行い、終了後に要件に該当していれば、延期した優先度の低い延長給付が支給されることになります。

なお、すべての延長給付に共通することですが、所定給付日数と受給期間の両方が延長されます。

地域延長給付

地域延長給付は、2017年3月31日に廃止された個別延長給付に代わって施行された延長給付で、2017年4月1日から2022年3月31日までの時限措置です。

地域延長給付を受けるには、労働者本人が希望したにもかかわらず労働契約が更新されなかった特定理由離職者、または、会社の倒産・事業の縮小などの理由で解雇された特定受給資格者であって、さらに、次の条件をいずれも満たさなければなりません。

  • 厚生労働大臣が指定する雇用機会が不足している地域に居住していること
  • 公共職業安定所長が、職業指導を行うことが適当であると認めた者であること

地域延長給付は、所定給付日数と受給期間ともに、原則として、60日を限度に延長されます。

広域延長給付

その地域での職業紹介活動が困難であると厚生労働大臣が判断した地域において、公共職業安定所長が広域職業紹介活動により職業の斡旋を受けることが適当と認めた場合に、失業保険が延長されます。

具体的には、その地域の前4月間における基本手当の受給率が全国の2倍以上で、その状態が続くと認められる場合です。

広域延長給付は、所定給付日数と受給期間ともに、90日を限度に延長されます。

全国延長給付

失業の状況が全国的に著しく悪化した場合に、すべての受給資格者に対して失業保険が延長されます。

具体的には、連続する4月間の全国の基本手当の受給率が4%を超え、その状況が継続すると認められる場合です。

全国延長給付は、所定給付日数と受給期間ともに、90日を限度に延長されます。

訓練延長給付

公共職業安定所長の指示した2年以内の公共職業訓練等を受講する場合は、失業保険が延長されます。

法律上は、「公共職業安定所長が指示」となっていますが、実際に公共職業訓練等を指示するのはハローワークの職員です。

待期中
公共職業訓練等を受けるために開始まで待っている期間について、所定給付日数が90日を限度に延長されます。
受講中
公共職業訓練等は2年以内に限られるので、所定給付日数が最長で2年を限度に延長されます。
受講終了後
受講終了日において基本手当の支給残日数が30日未満であり、かつ、就職が困難であると認められる者には、所定給付日数が30日を限度に延長されます。

なお、いずれも所定給付日数と同じ日数分の受給期間が延長されます。


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