国民年金 免除の条件!学生、自営業者、失業者、主婦、母子家庭は?
第1号被保険者は、自分で国民年金保険料を負担して納付しなければなりません。
しかし、障害や経済的理由などにより、保険料を納付できない人がおり、それらの人に自分の生活を犠牲にさせることはできないため、国民年金保険料の免除制度が設けられています。
その免除の種類や条件について説明するので参考にしてください。
なお、免除は自動で判断されるわけではなく、手続きが必要なので、必ず手続きしましょう。
法定免除(障害年金受給権者、生活保護受給者等)
法定免除とは、障害年金受給権者や生活保護受給者等が受けられる国民年金保険料の免除制度です。
法定免除の条件
- 障害基礎年金、その他の障害年金の受給権者
- 生活保護法による生活扶助を受けている者、らい予防法廃止法による援護を受けている者
- ハンセン病療養所など厚生労働省令で定める施設に入所している者
上記条件に該当すれば、前年の所得を問わず、国民年金保険料の免除を受けることができます。
ただし、法定免除を受けると将来受け取れる老齢基礎年金の金額が減ってしまうため、経済的に余裕のある障害者は、法定免除を受けずに保険料を納付することも可能です。
法定免除の手続き
14日以内に、『国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届』を市区町村役場に提出してください。
申請免除(低所得者、失業者、天災被害者等)
申請免除とは、主に低所得者のための国民年金保険料免除制度であり、自営業者やその主婦・主夫などが対象となりますが、50歳未満ですと「若年者納付猶予(20~50歳の学生以外の者)」の適用を受けます。
他にも以下のいずれかの条件を満たせば適用されます。
申請免除の条件
- 前年の所得が一定額以下であるとき
- 被保険者又は世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けるているとき
- 障害者又は寡婦であって、前年の所得が125万円以下であるとき
- 天災その他厚生労働省令で定める事由(失業・事業所の倒産等)があるとき
所得基準
申請免除を受けるためには、本人・世帯主・配偶者のすべてが、以下の所得基準を満たす必要がありますが、失業者と天災により国民年金保険料の免除を受ける者は、本人の所得は問いません。
前年の所得により、免除は4種類用意されており、納付するほど将来の老齢基礎年金への反映率も高くなります。
- 全額免除(単身世帯) 57万円
- 全額免除(2人以上の世帯) (扶養親族等の数 + 1) X 35万円 + 22万円
- 3/4免除 78万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
- 半額免除 118万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
- 1/4免除 158万円 + 扶養親族等控除額 + 社会保険料控除額等
申請免除の手続き
申請免除を受ける時は、『国民年金保険料免除・納付猶予申請書』に必要書類を添付して、市区町村役場の年金課か年金事務所に提出してください。
上記の申請書はネットからプリントアウトすることも可能ですが、申請者によって添付書類が異なるので、あらかじめ市区町村役場に確認することをおすすめします。
学生納付特例
国民年金は、20歳以上で強制加入となるため、大学生等も保険料を納付しなければなりませんが、高額な学費や生活費が必要になるため、そんな余裕はないという人も多くいます。
そのため、20歳以上の学生で、申請免除の条件を満たしている者は、国民年金保険料の免除を受けられます。
所得基準
118万円 + 扶養親族等の数 X 38万円 + 社会保険料控除額等
所得は、本人のみで判断され、世帯主と配偶者の所得は問いません。
ただし、学生納付特例期間は、追納しないと全く老齢基礎年金額には反映されないので注意してください。
学生納付特例の手続き
学生納付特例を受ける時は、『国民年金保険料学生納付特例申請書』に、『年金手帳のコピー』と『学生証のコピー』等を添付して、年金事務所か市区町村役場、大学の学生課に提出してください。
大学で手続きするのが、一番、効率的でしょう。
若年者納付猶予(20~50歳の学生以外の者)
所得が少なくて国民年金保険料を納付できない者は、本来は申請免除に該当しますが、フリーターやニートが増加したために、若年者納付猶予という免除制度ができました。
50歳未満の自営業者とその主婦・主夫や、母子家庭の母親も、この免除制度の対象者です。
若年者納付猶予の条件は、申請免除の条件と同じですが、追納しないと全く老齢基礎年金に反映されないという点が異なります。
所得基準
(扶養親族等の数 + 1) X 35万円 + 22万円
若年者納付猶予を受けるためには、本人・世帯主・配偶者のすべてが、上記で計算した所得以下である必要があります。
若年者納付猶予の手続き
若年者納付猶予を受ける時は、『国民年金保険料免除・納付猶予申請書』に必要書類を添付して、市区町村役場の年金課か年金事務所に提出してください。
配偶者によるDV被害者の国民年金保険料免除
現代における社会的問題を考慮し、新たに作られたのが、配偶者から暴力を受けた人に対する国民年金保険料免除制度です。
配偶者とは、夫・妻の関係を意味します。
この免除制度を受けるには、配偶者からDVを受けて別居し、前年の所得が一定額以下でなければなりません。
所得基準
本人と世帯主が、申請免除の所得基準を満たす必要があります。
したがって、例えば、夫から暴力を受けた妻が実家に戻った場合、妻の父親の所得も問われることになります。
DV被害者の国民年金保険料免除手続き
この免除制度を受ける時は、『国民年金保険料免除・納付猶予申請書』と次の添付書類を、年金事務所に提出してください。
- 年金手帳
- 前年の所得を証明する書類
- 配偶者と住居が異なること等の申出書
- 居住地が確認できる書類
- 婦人相談所または配偶者暴力相談支援センター等の証明書
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