介護者の残業免除が2017年1月からスタート
少子高齢化と長寿化に直面している現在の日本においては、親の介護をしなければならず、それによって仕事を継続できないこともあり、結局は介護を理由に会社を辞める人が多くいます。
会社を辞めると生活費や転職先の問題が生じるため、日本政府は「介護離職者ゼロ」を目標に、2017年1月から介護休業の取得条件緩和を行いますが、さらに、介護者の残業免除も同時期からスタートすることを決定しました。
これによって、会社は介護について就業規則に定めなければならないとともに、家族の介護のために残業をできないと申し出た労働者に残業させられなくなります。
家族の介護で残業を免れる条件
執筆している2016年8月現在に決まっている条件は次のとおりです。
施行時には変わっている可能性があるので、この制度を利用するときは、あらかじめご確認ください。
- 同じ会社で週3日以上働き、1年以上勤務している
- パートタイマーなどの非正規労働者にも適用される
- 申請できる期間は1ヶ月から1年だが、更新して延長できる
- 食事や排せつに介護が必要な「要介護2」の状態以上であること
- 介護対象の家族が亡くなるか、症状が改善して介護の必要がなくなるまで残業が免除される
申し出た介護者に残業をさせた場合の罰則
厚生労働省は、改正育児・介護休業法に基づく省令で介護者の残業禁止を定めますが、実際には、それぞれの会社が就業規則に定める必要があります。
そして、申請があった場合に介護者を残業させることができなくなるのです。
これは義務なので会社は守らなければなりませんが、もし破ったとしても罰則はなく、代わりに厚生労働省が悪質な会社を公表します。
ただし、ブラック企業についても悪質な場合は公表するとしていますが、公表される企業数も少なく、甘すぎるとして批判されており、効果は期待できないでしょう。
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