強制労働の罰則!ブラック企業は労働基準法5条違反?
強制労働とは、労働者の意思を無視し、無理やり労働させることで、アメリカ大陸の植民地化やドイツナチスの強制収容所、北朝鮮の強制収容所など、世界中でも大きな問題として存在していました。
日本ではあまり強制労働のイメージがありませんが、明治時代までは普通に存在していたのです。
世界中で強制労働が問題となり、日本も1932年に強制労働に関する条約を批准し、1957年には強制労働廃止条約が締結され、さらに労働基準法5条で「強制労働の禁止」の規定が定められました。
その内容は、次のとおりです。
強制労働の禁止(労働基準法5条)
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
長期労働契約、賠償額予定契約、前借金契約、強制貯金が不当な手段の例とされていますが、これに限らず、精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって労働させたら強制労働です。
普通に考えれば、今の日本で強制労働なんて起きないと思うのが普通ですが、ブラック企業という存在によって、そうとは言い切れない状態にあります。
ブラック企業は強制労働に抵触しているのか?
最近、労働の面で大きな問題になっていることにブラック企業があります。
程度にもよりますが、「辞めたくても辞めさせない」「休日も与えず働き続けさせる」「長時間のサービス残業」など、強制労働に該当する可能性は十分あるでしょう。
ただ、一人で悩んでいても解決しないので、上記リンク先ページで紹介している労働基準監督署などの相談先を利用してください。
我慢して働き続けても、精神的に追い込まれてうつ病などを発症してしまいます。
強制労働の禁止に違反した会社への罰則
強制労働はかなり大きな問題なので、違反した場合も労働基準法で最も重い罰則が設けられています。
1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金。
労働者としては、会社が違反していても「どこに相談すれば良いのか?」「訴えて会社にいられなくならないか?」といった不安でなかなか行動に移せないとは思いますが、訴えたりした労働者を不利に扱うことは禁止されているのでご安心ください。
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