失業保険は確定申告が必要?税金はかかるか?
毎年2月16日から3月15日になると確定申告の季節となり、自営業者やSOHO、フリーで働いている人などはバタバタとします。
その時、会社を辞めている人は、「失業保険(基本手当)は確定申告が必要なのか?」「失業保険に税金はかかるのか?」と、疑問に思うでしょう。
放っておいて申告漏れや脱税扱いされたくないし、かと言って税務署に電話で聞くのも気が重いし、どうしようと悩んでいる人も多いと思います。
結論から言うと、失業保険は非課税なので、税金はかかりません。
失業保険は、憲法25条第1項の『健康で文化的な最低限度の生活を営む』ために支給されるものであり、実際には生活費を気にせずに再就職先を探せるように支給される給付なので、失業保険に税金はかからないのです。
したがって、失業保険をもらっても確定申告する義務はありません。
しかし、以下のいずれかに該当する場合は、確定申告した方がお得です。
- (1)年の途中で退職して再就職していない場合は、確定申告した方が得する
- (2)社会保険料を納付していた失業者が再就職した場合は、確定申告した方が得する
- (3)失業中にアルバイトで20万円以上稼いだ場合は、確定申告した方が得する
- (4)失業中にアルバイトで20万円以上稼いだ場合は、確定申告しなければならない
- 確定申告のすすめ
(1)年の途中で退職して再就職していない場合は、確定申告した方が得する
会社員や公務員、アルバイト・パートの人は、12月に会社等に在籍していると、「年末調整」と言って、払い過ぎた所得税がある場合に還ってくる制度があります。
しかし、12月前に仕事を辞めていると、年末調整を受けられなくなるので、1月から退職月までの払い過ぎた所得税が還ってきません。
年末調整は会社が行うため、12月にアルバイトでもパートでもいいので、雇われていなければならないのです。
したがって、年度内に再就職していない場合は、翌年に自分で確定申告して払い過ぎた所得税を還してもらいましょう。
(2)社会保険料を納付していた失業者が再就職した場合は、確定申告した方が得する
失業中に保険料の免除を受けずに、国民年金保険料と国民健康保険料を納めていた人が再就職した場合、その社会保険料は新しい会社では処理されません。
その年に払った社会保険料は、収入から控除され、税金がその分安くなるはずなのに、これでは損してしまいます。
したがって、この場合、確定申告しましょう。
(3)失業中にアルバイトで20万円以上稼いだ場合は、確定申告した方が得する
失業中になかなか仕事が決まらず、つなぎとしてアルバイトする人もでしょう。
その場合、アルバイトで年間20万円以上の収入を得たなら確定申告することで、源泉徴収された分が戻ってきます。
20万円以下の場合は、確定申告することで戻ってくる可能性があります。
なお、失業保険は非課税なので、申告する必要はありません。
確定申告する際に、間違って所得として計算して提出すると、所得税と住民税が課税されてしまい、修正申告という面倒な手続きが増えるので、絶対に失業保険の金額は書き込んでいけません。
(4)失業中にアルバイトで20万円以上稼いだ場合は、確定申告しなければならない
失業保険の支給が終わっても再就職できていない場合、とりあえず副業やアフィリエイトをやる人もいると思います。
その場合、「収入 – 経費 = 所得」で算出した所得が20万円以上なら、必ず確定申告しなければなりません。
これのケースは絶対なので、必ず確定申告してください。
確定申告のすすめ
確定申告は、正直かなり面倒です。
人によっては、「数千円、数万円のためにこんな手続きやってられない」と思うでしょうが、大切なお金なので少額でも還してもらいましょう。
書類は、税務署でもらえるほか、インターネットでプリントアウトできます。
また、前年に確定申告していると、翌年は自宅に郵送されてきます。
さらに、あらかじめ手続きしておけば、e-Taxでネットを通じて確定申告できるので便利です。
ただし、初めてで分からないという人は、確定申告相談会がそれぞれの地域で開かれるので、そこにいる税理士さんに聞きながら書類を作成するとよいでしょう。
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