失業保険受給で扶養から外れるタイミング
日本では、国民皆年金制度・国民皆保険制度がとられています。
したがって、会社を辞めたら、年金制度では第2号被保険者から第1号被保険者となり、自分で国民年金保険料を納付しなければなりません。
国民年金保険料を納付しなくて済む方法は、第2号被保険者である夫や妻の扶養に入り第3号被保険者になることですが、これは配偶者のみなので、親子間では使えない方法となります。
一方、会社を辞めた場合の医療保険制度は、「夫や妻の健康保険の扶養に入る」「自分の健康保険の任意継続被保険者になって保険料を全額負担する」「国民健康保険に加入する」の3通りです。
上記のことをまとめると、離職後に年金保険料も医療保険料も負担しなくていいのは、会社員や公務員である配偶者の扶養に入ることと言えます。
ただし、扶養に入るには、年収130万円以内でなければならないので注意してください。
そして、失業保険(基本手当)もこの130万円未満に含まれます。
年収130万円を超えたタイミングで扶養から外れ、自分で年金保険料や医療保険料を納付しなければなりません。
基本手当日額が3,612円以上になったタイミングで年金・医療保険の扶養から外れる
失業保険は所得ではないので税金はかかりませんが、収入として扶養条件の130万円以内にカウントされます。
しかし、実際に受け取った額で130万円未満かどうかを判断するとその時まで年金・医療保険に加入できなくなってしまうため、最初に見込み額で判断されるのです。
計算方法は、「130万円 / 12月 / 30日 = 3,611.1・・・円」となり、基本手当日額が3,611円未満なら扶養に入れ、3,612円以上なら扶養に入れないことになります。
所定給付日数は全く考慮されず、基本手当日額が3,612円を超えたタイミングで扶養から外れるので、その点をしっかり理解してください。
例えば、基本手当日額が5,000円で所定給付日数90日の場合、最高でも失業保険は45万円しか支給されませんが、基本手当日額が3,612円以上なので、自分で国民年金保険料を納付し、国民健康保険料も納付することになるのです。
ただし、国民年金保険料は、退職した年とその翌年の免除を受けられますので、金銭的余裕のない方は必ず年金事務所で免除申請しましょう。
国民健康保険料についても減免があるので、市区町村役場にお問い合わせください。
失業保険と扶養の関係
給付制限期間中・失業保険受給中・失業保険受給後に扶養に入れるか否かは、次の説明のとおりです。
失業保険の給付制限期間中は、扶養に入れます。第2号被保険者の会社を通じて、手続きしてください。
失業保険の支給を受けている時は、基本手当日額が3,612円未満なら扶養に入れますが、超えていれば扶養から外れます。基本手当が3,612円以上の人は、自分で年金保険料と医療保険料を納付しなければなりません。払う余裕のない人は、免除申請してください。
失業保険の支給が終わったら、扶養に入れます。第2号被保険者の会社を通じて手続きしますが、国民健康保険の脱退手続きは自ら市区町村役場で行わなければなりません。その際、「印鑑・国保の保険証・新しい健康保険の保険証」が必要です。
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