うつ病の場合の失業保険もらい方
日本人で生涯に一度以上うつ病になる患者の割合は1割くらいであり、現代社会において患者が急増している精神疾患のひとつとです。
老若男女問わずに発症し、「やる気がしない」「憂鬱になる」「不安になる」「悲しくなる」「思考能力が低下する」などの症状を伴います。
うつ病になる原因は、仕事や人間関係、結婚、妊娠、出産、疲労など、さまざまな要因が重なることによって発症するとされていますが、実際にうつ病になれば働くことができない状態になることもあり深刻です。
「生活するために収入を得ないといけないけど、精神的に辛くて働けない」という、さらにネガティブな心的ストレスが加わり辛いでしょう。
そこで、うつ病が原因で退職した場合の失業保険の受け方について、分かりやすく説明いたします。
心身ともに健康な状態で再就職できるように、うまく保険制度を活用してください。
なお、うつ病の症状が軽度か重度かによって、失業保険の受け取り時期に違いが生じます。
軽度のうつ病の場合の失業保険のもらい方
自分の意思で会社を辞めた場合は、1ヶ月以上3ヶ月以内の期間で給付制限を受けますが、うつ病で会社を辞めた場合は、給付制限を受けずに待機期間満了後すぐに失業保険を受けられます。
また、特定受給資格者となるので、所定給付日数も通常より多くなります。
当然、自分でうつ病と申告するだけではダメで、医師による診断書が必要です。
ただし、失業保険(基本手当)を受給条件のひとつに「労働の意思及び能力を有していること」とあるので、うつ病の症状が軽度ですぐに働けると医師に認められなければなりません。
うつ病はそんなに簡単に治る病気ではないので、実際には、下記の重度の症状になるでしょう。
重度のうつ病の場合の失業保険のもらい方
重度のうつ病でも、給付制限はなく、特定受給資格者となりますが、働けないので失業保険を受け取れません。
「労働の意思及び能力を有していること」という条件を満たしていないからです。
代わりに、健康保険の傷病手当金を受けることになり、雇用保険の失業保険(基本手当)は受給期間を延長することになります。
傷病手当金は最長で1年6ヶ月受給でき、それまでに治ったら、受給期間の延長を解除して失業保険を受けながら仕事を探すという流れです。
なお、退職後も傷病手当金を継続して受けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 健康保険の被保険者期間が1年以上あること
- 退職日において傷病手当金を受給しているか受給資格を満たしていること
- 退職後も労働不能の状況が続いていること
ただし、「最後くらい働こう」と思い、退職日に働くと、退職後に傷病手当金の継続給付を受けられなくなるので注意してください。
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